
| 会期:2025年12月5日㈮ ~12月15日㈪ ※12月9日㈫休み 時間:11:00~19:00(最終日は17:00まで) 場所:ギャラリープルミエ (沖縄県中頭郡北谷町上勢頭811-3) 企画:ギャラリープルミエ ※入場無料 |
よねだはるひこ絵画展、森羅万象・変幻自在の美 いよいよ開催!
沖縄の青く澄んだ空と、深く複雑な歴史の地層。この島を拠点として活動する画家、よねだはるひこ(米田晴彦)氏は、伝統的な日本画の端正な技法を基軸に置きながら、油画、水彩、鉛筆画、果ては空間表現としてのインスタレーションに至るまで、驚くほど多彩な表現領域を自在に往来する稀有なアーティストです。
彼の魅力の核心は、単に多様な技術を操る「器用さ」にあるのではありません。それは、描くべき対象の本質を深く見つめ、その精神性を最も的確に表現するために最適な技法を選び抜く真摯な探求心と、そのまなざしが沖縄という土地の風土と歴史に深く根ざしている点にあります。岡山県に生まれ、沖縄の地で芸術家としてのアイデンティティを確立したよねだ氏は、現代において琉球の精神史を「可視化」する重要な描き手として、唯一無二の存在感を放っています。
岡山から沖縄へ―芸術家としての土壌
よねだはるひこは、岡山県に生まれ。彼が芸術家としてのキャリアを本格的に歩み出す上で決定的な転機となったのが、沖縄県立芸術大学大学院への進学でした。沖縄の持つ独特の光、色彩、そしてアジアの結節点としての文化的混淆性に惹かれたのか、彼はこの地で造形芸術の研究を深め、1997年(平成9年)に大学院(造形芸術研究科環境造形専攻絵画専修)を修了します。
学生時代からその才能は沖縄のアートシーンで注目を集めていました。大学院在学中の1995年には、県内の権威ある公募展の一つである「第6回りゅうせき美術大賞展」において、最高賞である大賞を受賞するという快挙を成し遂げます。翌1996年にも「沖縄平和美術展」への出品や「第6回あけみお展」での入選など、着実に評価を固めていきます。
大学院修了後、多くの作家が活動の場を東京や海外に求める中で、よねだ氏が沖縄に留まり、この地を拠点として活動を続けることを選んだという事実は、彼の芸術性を語る上で極めて重要です。彼の作品世界は、沖縄の風土と切り離しては成立し得ない、深いレベルでの結びつきを獲得していくことになります。
「万能」の技術―画材を超えた本質の探求
よねだはるひこのプロフィールで際立つのは、その使用画材と技術の幅広さです。彼の活動の中心は、岩絵の具、墨、箔などを用いた日本画にあります。しかし、同時に油画、水彩、アクリル、パステルといった西洋由来の画材も自在に使いこなし、さらには鉛筆による細密画、平面絵画を応用したインスタレーション(空間表現)まで手がけます。
これは、特定の流派や様式に縛られることなく、描きたいテーマや表現したい精神性に応じて、最もふさわしい「言語」を選択する能力の高さを示しています。
例えば、彼の鉛筆画は「細密なやわらかいタッチ」と評され、光と陰が織りなすモノクロームの世界で、対象の質感やそこに流れる空気までをも描き出します。一方で、日本画においては、岩絵の具の持つ鉱物的な輝きや箔の重厚感を活かし、時を超えた普遍性や精神性を画面に定着させます。
彼の作品群は「深みのある精神性の高い作品」として定評がありますが、その精神性は、仏画から具象画、抽象画まで、あらゆるジャンルを横断する彼の「万能」とも言える技術力によって裏打ちされているのです。
静と動―「風景」と「人物」に宿る精神性
よねだはるひこの作品世界は、大きく二つの柱によって支えられています。それは「雲と漂うような空気感ある風景画」と、「存在感ある人物表現」です。
前者の「風景画」は、沖縄の空や海、光、そして湿度を含んだ大気を、彼自身の内面的なフィルターを通して再構築したものでしょう。それは単なる写実的な風景ではなく、見る者を静謐な瞑想の世界へと誘う、精神的な空間の表れです。彼が「仏画」をも手がけるという事実は、こうした内省的で精神性の高い作品群と無関係ではありません。沖縄の自然が持つ圧倒的な美しさと、その裏に潜む厳しさや無常観が、彼の筆を通して「空気感」として描き出されているのかもしれません。
後者の「人物表現」は、彼のもう一つの真骨頂です。特に近年、彼が精力的に取り組んでいるのが、琉球の歴史を彩った偉人たちの肖"像画や、歴史的な場面を描いた「歴史画」です。
現代の絵師―琉球の歴史を「可視化」する使命
よねだはるひこ氏の沖縄における活動で、最も特筆すべき功績の一つが、株式会社JCCの企画による琉球歴史画・偉人肖像画の制作プロジェクトへの参画です。これは、沖縄県立芸術大学の井上秀雄名誉教授といった歴史専門家の監修のもと、文献や資料に基づきながらも、失われた琉球の歴史的風景や人物の姿を、画家の想像力と卓越した技術によって現代に蘇らせるという、極めて文化的な意義の深い試みです。
このプロジェクトにおいて、よねだ氏は作画の中心的な役割を担っています。
例えば、那覇市の「琉球料理 首里天楼」や南城市の「ホテル百名伽藍」などには、彼が描いた中山王「武寧(ぶねい)」の肖像画が飾られています。また、「護佐丸と阿麻和利の乱の図」や「恩納ナビと尚敬王の北部御幸の図」といった、琉球史のドラマチックな瞬間を捉えた歴史画が展示されています。
これらは単なる装飾画ではありません。文字史料だけでは伝わりにくい琉球の歴史や文化の豊かさを、視覚的なイメージとして現代の私たちに強く訴えかける力を持っています。よねだ氏は、沖縄のアイデンティティの源流とも言える歴史を「描く」という、現代の「絵師」としての重責を担っているのです。
まとめ
沖縄在住の画家、よねだはるひこの魅力。それは、日本画を核とする盤石な基礎技術と、画材やジャンルの境界を軽やかに超えていく柔軟な表現力を併せ持つ点にあります。
そして何より、その卓越した技術(わざ)が、彼が人生の多くを過ごす沖縄という土地の風土、精神性、そして何世紀にもわたる奥深い歴史と深く結びついている点にあります。
彼の描く「空気感のある風景」は私たちの内面に静かに語りかけ、彼が描く「琉球の偉人たち」は私たちに沖縄の誇り高いルーツを指し示します。県立博物館・美術館や那覇市民ギャラリーでの個展、北谷町のギャラリープルミエでの企画展など、沖縄の地で着実に作品を発表し続ける彼の存在は、沖縄のアートシーンにとって、そして沖縄の文化そのものにとって、欠くことのできない貴重な宝と言えるでしょう。
よねだはるひこの作品は、沖縄の過去と現在、そして目に見えない精神世界を繋ぐ架け橋として、これからも多くの人々を魅了し続けるはずです。
ギャラリープルミエでの展覧会(2022年)
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作家プロフィール
よねだはるひこ (Yoneda Haruhiko)
岡山市生まれ
平成9年、沖縄県立芸術大学大学院造形芸術研究科環境造形専攻絵画専修修了
日本画を主に、油画、水彩、アクリル、鉛筆画、パステル等 の絵画全般、平面絵画を応用
した空間表現(インスタレーション)等、制作技法は多岐にわたり、花鳥風月画や人物画、
仏画など、深みのある精神性の高い作品制作を展開する。
1995 第6回りゅうせき美術大賞展 大賞受賞 (りゅうせき買上)/他同展入選4回
1996 第6回あけみお展 入選
「絵画2人展」(那覇市民ギャラリー)
沖縄平和美術展出品 (那覇市民会館中ホール)
1997 「絵画4人展」(那覇市民ギャラリー)
1998 書籍『沖縄平和絵本シリーズ⑤ ゆいこのゆうき』挿絵制作
1999-2000 「絵画四匹展」(那覇市民ギャラリー)
2008 第4回日本画公募展前田青邨記念大賞 入選 /他同展入選1回
2010 第8回雪舟の里総社墨彩画 特選受賞(総社市文化振興財団買上)/他同展入選4回
個展「よねだはるひこ展」(那覇市民ギャラリー)
2013 個展「よねだはるひこ展」(那覇市民ギャラリー)
「りゅうせき美術 賞受 賞作品 コレクション展 ‒ 新しい ローカルを求めて‒」に 1995 年
大賞受賞作品展示(沖縄県立博物館・美術館コレクションギャラリー)/アートミュー
ジ アムワークショップ「絵からみえるもの」講師担当(沖縄県立博物館・美術館)
2014 個展「よねだはるひこ展」(沖縄県立博物館・美術館 県民ギャラリー)
2015-2018 株式会社 JCCより歴史人物画制作の依頼を受け携わる。書籍『絵で解る琉球
王国歴史と人物2』(発行:株式会社 JCC)に人物画作品が収録。 ホテル百名伽藍 (南城市)
沖縄郷土料理店(那覇国際通り、恩納村)などの施設に作品が展示される。
2017 「沖縄現代日本画作家展」出品(沖縄県立芸術大学芸術図書•資料館)
2018 「開廊 18 周年記念企画 よねだはるひこ&孝子展」(ギャラリープルミエ)
2019 アートオリンピア 2019 準佳作
「開廊 20 周年記念企画 よねだはるひこ&比嘉孝子展」(ギャラリープルミエ)
2020- 株式会社 JCCより歴史人物画制作の依頼を受け、現在進行中
2021 「アニマルアート展」三人展(ギャラリープルミエ)
FM コザ局「カララジ」ラジオ出演
2022 情報誌『九州王国 3月号』(発行:エーアールティー株式会社)作品掲載
ギャラリープルミエ
美術・工芸品の販売、展覧会企画、貸しギャラリー運営、額の販売、レンタル絵画、肖像画注文制作
沖縄県中頭郡北谷町上勢頭811-3 営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日・水曜日(展示会期間は除く)






